Lesson#251;ありったけの狂気の物語。

気が付けば消費を促されていると言う現実に、Googleにキーワードを入力して検索するたびに直面させられる。
それはたいてい僕が調べようとしているものが、経済的な価値を持つ商品であることを強調する。
トップの現れるサイトはショッピングサイトであり、そこには\の後に数字が続く。
僕はいったい何を知りたかったのだろうか?

愛とは交換の補完である。
あらゆる交換によって満たされる僕らの世界の、不均衡を是正する、不等価を等価とする、そう言った効能が愛にはある。

美学は経済学、政治学、確率論の前では無力だ、あまりにも。
それは愛が数字の前にその効用を失ったと言えなくも無いだろう。
それは僕らが美学をあまり顧みなかったからではないか?
ある学説や宗教が力を有するかどうかは、時勢によるところが大きい。
言い換えるならば、どれだけの人間が信じているか?と言うことが事実なのである。

ありきたりの狂気の物語 (新潮文庫)

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