Lesson#214;フィリピン人の彼が中国のジムでボクシングをする理由。

 なんとなく彼らに対し開けっぴろげになれないのは、なぜだろうか?決して彼らが好人物でないと言うわけではない。僕はやはり友達を作るのが下手らしい。あんなにすばらしい人物に囲まれながら誰とも共感しないと言うのは、やはり僕自身が下賎な人間だからなのだろう。いよいよ本格的に人生がつまらなくなる。生きながらえているのはハードディスク内のエロ動画のおかげである。それが生きがいと言うのではなく、そんなものが死後見つかったのでは残される人々に申し訳が立たないからでもあり、何より情けないからだ。くそう、死後まで体面を気にする自分が、また、情けない。恥の上塗りとはまさにこのことであろう。
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「やっぱり着替えてきたほうがよかったですかね?」
「いいよ、いいよ。別に気にしないで。どうせアツシとユミちゃんしか来ないんだから。それより順調なの?就活。」
「えーっと、まぁぼちぼちですかね。」
「ふ〜ん。ユミちゃんのほうは?」
「内定、取れたみたいです。希望通りのところに。」
「へー。あの娘がね。ちょっと不思議ちゃんぽかったのに。意外。」
「ところで先輩、遠恋って大変ですか?」
「うわっ、いきなり訊くのね。まぁこっちもね、ぼちぼちって感じかな。アツシも私も結構淡白だからね。これくらいがちょうど良いのかも。って言ってもまだ二ヶ月しかたってないからさ、あいつが向こうに行ってから。」
「お邪魔じゃないですか?私たち。」
「大丈夫よ。私もそろそろ、あんたたちとも呑みたかったしね。わざわざ後輩集めて飲み会なんて、アツシにも里心みたいなもんがあるんだろうかねぇ〜。あはは。」
「あ、アツシ先輩とユミ子、来てますね、もう。」
「うおっ!リクルートスーツだ!タイトなスカートは、ぐっと来るね〜。」
「こら。趣味に走る前に久しぶりに会う自分の彼女をほめろ、先に。」
「うるさい。っーか、遅いぞ。ユミちゃんはそのスカートな分、5分は早くついたことにするけど。」
「なんじゃそりゃ。私だって混んでたんだよ、地下鉄が。もう線路が渋滞だったんだよ。」
「そっちこそ、何じゃそりゃ、って感じだろうが。線路は渋滞しねぇよ、フツー。」
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今週は黄昏流星群が思いのほか感動的なラストで、立ち読みしながら泣きそうになってしまいました。軽くウルッとね、来てしまったのですよ。なんと言うかものすごい磐石感を伴った終結。ちなみに大学入学のころはゲッラゲラ笑いながら読んでいたんですけどねぇ〜。年取ったなぁ、と実感いたします。