Lesson#197;女子アナの鼻を折る/捥ぐ。

そんな狂気の沙汰が許されるわけもない。彼女はきっと人生始まって以来の暴力に、あわて、恐れ、おののき、へたり込んでは僕から離れようと後ずさり。ああ、なるほど、彼女は僕にそんなものを求めてはいなかったのか。いまさらだが、もう遅いよ。誰も来ない。
もうなんだか、いいかもしれないな、と。ここで終わっても

ほんわかザメさん、結局私があなたを最後にお見受けしたのはいつだったかしら?ちょっとした頭痛が、頭に振りかけられていて、思い出せないの。でもあのときのことは鮮明に覚えているわ。照明が凝っていて、あなたや私、その他大勢のパーティー参加者の数だけそろえられたシンリジウムの含有った蝋燭の火が、おのおの主とするものの色をしていて、その主の鼓動に合わせて明滅していた。私を認めた瞬間のあなたのろうそくは、その蝋を本当に、一瞬で使い切ってしまうんじゃないかって言うくらい激しさで燃えていたわ。
ああ胸が苦しい!助けて!肋骨の表面がずきずき痛むわ!吐きそうだけれどなんとか耐えているの。あなたはどうやって、この症状に耐えているの。どうやってやり過ごすの。いつになったら止むの。苦しみと痛みだけの毎日は、もうたくさんだわ。いくら考えても私に答えは出せそうになかった。出す気もなかったのかもしれないのだけれど。

ぬかるんだ湿地帯に建った城。もろくもろくいつまでも沈み込みが止まないベース。ものすごく傾いている。

彼は監督者、僕を地獄へ追いやる。

こわばった手で僕は君を刺した「痛かったかい?」「いいえ、思っていたほどじゃないわ。」
「にしてはひどくきつそうだよ。大丈夫?」「仕方ないわ。心と体はひとつじゃないもの。」「形の上では、まぁ、そうだけれど。でも、事実はちがうだろ?」「ええ。でもあなたが上手だったから、この程度ですんでいるのかもね。」「お世辞かい?」「いいえ、ちがうわ。あら顔が、血で汚れているわよ。」「」「」「」「」

ここは成層圏ぎりぎり。つまりこの機体が飛べるぎりぎりであり、人が人でいられるぎりぎりの場所でもある。あの事件以来、これ以上はいけなくなった。あの国の、あの元首のせいだ、と歴史では習うけれど、本当のところを僕は知っている。決して彼女のせいなんかではなかったんだ。薄ら汚いシェフのせいだ、とおじさんは言っていた。彼は見たらしい。