Lesson#171;棒から外され白磁の皿に乗せられたチョコミントアイス。

こうも月がファンタジックに、そして神秘的に見える日がありましょうや。のっぺりとした暗い夜空に黄色く薄ぼんやりとしたそれはまるで中空につるされた球形の照明のようであります。風景があまりにも絵画的でずっと眺め続けていたら、動悸が激しくなって心臓が痛くなってしまいました(これは月のせいでは無くWPWと言う僕の心臓のちょっとした畸形―神経の情報伝達が上手く行かないという症状。なるほど僕自身の衒惑的で他人と意思疎通が上手く行かない、誤解を招きやすい性質はこういった身体上の微細なしかし決定的と言うかもうほとんどその字義通り致命的なところとフラクタルな関係に有るのだ、と自然の神秘にまたしても唸らされるのですが―の問題の所為でありますが)。
やはり世の中、何かが大きく変わる瞬間にはこのように神秘的な物事が起こるものです。僕が月が綺麗だと言って帰宅途中のバスの中で喘いでいるとき、『これはヤヴァい』と戦線恐々している方々がいらっしゃるのでした。言わずもがな本日の大イベント、参院選についてであります。家に帰ってテレビをつけてみれば、『何だこの数字は(笑)』と言う感じでした。テレ朝は丸川珠代氏の特集をここぞとばかりに“あぁギリギリでダメかもしれないこの人は”なんて空気を漂わせながら流しており、テレ東は選挙そっちのけ、とまでは行かなくとも画面下に各党獲得席数が淡々と表示されるだけのバーを表示するだけ。すごいクール。こうまでも違うとこの旅館再生計画(そんな感じの番組でした)を見たい。と言う気持ちをぐっとこらえN響アワーを見るのでした。なんと今日演奏しているオケ(確か神奈川ナントカと言う名前でしたが詳しくは失念)のコンサートマスターは金髪にピアス。手首―しかも両の手首―に数珠。さらにその構えた格好では、隣の奏者の数倍あろうかと言う足の開き具合。
いやいやそんなことより選挙だ選挙。政治は今結構クールなテーマなのでしょう。Studio Voice誌上では特集が組まれ一時期ネットをにぎわした外山恒一氏のインタビューが載っていました。私も何が起きるか解らない、注視しておかなくては、と政見放送を何本か見たのですが総じて感想は『なんかこれ、コントみたい(笑)』と言う卑俗な笑いを伴ったものばかりでした。自分の馬鹿さ加減にあきれもしますが、本当にコントみたいだったのよ。これ、笑いが目的では無いとしたら、何でこんな代物が出来上がるのか?と言う疑問でいっぱい。でも面白いからOK!OK!ってなもんです。
え〜今見たところではどう見ても民主党議席数の方が自民党のそれよりも多い。やはり世の中は大きく動き出しているようです。国会と言うのは法を生み出す唯一の期間です。ノイズを生み出すのがノイズジェネレーター。それならば国会はロウジェネレーター。と言うかやはり“生む”と言うことばを使った以上、女性の最も高貴な営みの一つ妊娠出産に喩えているわけですが―僕には一生かかっても理解/体験できないものではありますが。破瓜の痛みのように―議会は胎内であるとすればそこに執着する政治家の皆さんのお気持ちも察すれば痛々しいほどに共感できます。う〜む。
行って見たら投票できなかった、と言うような大ちょんぼが無ければ転居なされた社会人諸氏の方々にも今回は投票が出来たと思うのですが(と言うか国政選挙前回のような括りは無かったのでしょうか?丸川氏が何故投票できなかったのか、そのシステムについてイマイチわかっていないくらいなので。法学部の方などにこの点、是非ご教授いただきたいです)ちゃんと行かれましたか?因みに僕の研究室の投票率は本日確認済みで20%でした(五人中僕一人だけ。素晴らしい先進国日本・笑)。