Lesson#170;ワインレッドのプレイヤー on PC.

野瀬君は大体シャツを着ている、ちゃんと襟の付いた。体育の授業とかそういったときはさすがにTシャツなんかだったりするんだけれど。パンツもデニムよりはチノっぽいのが多いかな?やっぱり合わせないといけないから?上と。でもあのキャンプのときはデニムだったな。たまにデニムだと、記憶に残るって事は、あんまりないんだろうね、着てるのが。
今日学食で彼の事を『のせくぅ〜ん』って甘ったるい感じで名前を呼んで駆け寄っていく女子がいた。私は彼の席(いつもあの、カウンターから一番離れた窓際のテーブルに座ってる)から結構離れてたのに、声でかいよ、あんた。なんだか格好も所謂ガーリィな感じ。何を話してるかまではさすがに聞こえない。私も友達とご飯食べてたから、そんなに聞き耳立てるわけにも行かなかったし。彼はああいう女子が嫌いじゃないのだろうか?て言うか誰?あんな娘見たこと無い。第一ここは理系のキャンパスで女子だって少ないのに。しかもあんなに女の子女の子した娘。サークルやなんかの知り合いかしらん。
んで、例のごとく三限目の授業では開始15分位でこっくりこっくり、睡魔と闘っています。て言うか、ぐわぁんぐわぁんって言うくらいの頭の振りよう。先生だって気付くよ。注意はされないけど。何でも夜のコンビニでバイトしているらしい。あんまりお家に余裕が無いからだって。ソンケーします。私なんてバイト代は何やかやと自分の事にしか使っていません。彼がバイトしているコンビニはうちから一番近いってわけではないけど、今度夜中に行ってみよう。
そんなだけど、勉強はちゃんとできる。この前の数学の中間では三番だった。先生が出来が良い方から順番で答案を返す。途中でやめちゃって十番以降はその他大勢。私は教卓の上に広げられたところから自分の答案を取った。うわっ、こりゃヤバイな。期末は頑張らなくちゃ。ところで彼はいつ勉強しているのだろう。確かサークルは吹奏楽部って言ってた、トロンボーン。中高とずっとやってたらしい。私はあの部活、中一の6月には挫折してた。

私は彼の事が好きってわけではない。だけれど何だかいつも彼の事を視界に捉えてしまう。なんだか気になる。

バルトーク:弦楽四重奏曲全集

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