Lesson#116;『許してよ。』と五度も繰り返した僕は。

 昨晩、天神のIMSで開かれたトークセッションを聞きに言ってきました。IMSの中にあるギャラリーARTIUMで現在開かれている『フォーレント!フォータレント!2』と言う若手アーティストの公募展の出展者&審査員による。そこで出たワインの所為で今朝になっても僕の頭はぼんやりしていますが、なにくそ、昨日の感想を書きます。あ〜、やっぱり醸造酒とは相性は悪いみたいです、蒸留酒にしよう。
 え〜、進行が余りスムーズではなく最初はむ〜ん、と思っていたのですがクリエーターの方々の感覚的なことばを聴くのは面白かったですね。こういうときは強烈なものを持っている人の喋ってるのを聴くのがすごく面白いんですよ。けっして悪い意味で言うんではないんですけど、統合されていない感、とか、何言ってるのかわかんないけど後少しギリギリで見えてきそうな感、とか。でもこれって興味ない人には絶対つまんないんですよね。だとすると市民にアートが溶け込む機会はどんどんと減っていく。どんな人にもアクセスし易いことばで製作者自身が語れるようなテクニークと言うのもこれからは必要なのかなぁ、特に今回のようなコンテンポラリーなアートでは。日常から乖離しているとしかいえない、それは非日常を指向する人には良いかもしれないけど、非日常が日常に浸透するには強烈な力以外に無いという事実によって双方のディスコミュニケーションはどんどん進んでいくような気がします。
 何とも口幅ったいですがここの作品に関する感想を書きます。小学生が皆で美術館に行って学校に帰ってから書かされた、見たいな文章ですので、と先に断っておきます(と言う逃げ・笑)。順番はフライヤーに載ってる順で。しかもこのフライヤーには作品名が書いていないのでアーティスト名をその変わりに。敬称略で。
 AKI.・・・トークセッションのときの『人間に興味がない』と言うのが(劣等感、では無くより原義に近い意味の)コンプレックスがモチーフの動物を擬人化しているのでは?と思いました。二足直立は人間と風太くんぐらいしかいないのではないかと思われるので。『毛の生えたものが良い』って言うも無毛である人間の裏返しなのでは・・・。
 尾形明子…狼煙でUFOが来るのか?と言うとこれなら来そうだ、しかもかなり強烈な奴が、と言う感じですね。余り細部まで見てはいないのですが(展示の関係上近寄れないんですよ)『おぞましい』と言う感覚は無かったですね。でも宇宙とUFOは繋がらないんじゃ無いでしょうか?現代的な感覚では。
 小沢裕子…エアヴォーカルだ(笑)!と思った方は僕だけではないはず。んなことはどうでもいいんですが、ご本人が語っていた、借り物のことばを喋っている感覚よりは、ファーストインプレッションとして僕は逆でTVとかのことばを事故の中に回収しようとする姿勢を感じました。でも憑依も回収も紙一重ってことですね。
 狩野哲郎…コンセプトだからね、重要なのは。でも確かに『薄い』。でも具象的な表現で言語的なコンセプト、って理解させるのは難しいのはやはり、夢診断を引き合いに出してしまいますね。アーティストご本人もすごく『薄い』感じの人でした(けっして悪い意味ではないです。って言ってもそうは思われないんだろうけど・笑)。
 坂井智美…換骨奪胎、置換化石といった言語を思い浮かべますね(その意味は関係無く字面とその音だけですけど・笑)。実は一部屋構築される、なんて巨大なものになるともっと面白いですね。本展中一番優しい感じ。
 Chen Yi-Chang…ダッチワイフか(笑)!ってひどいなこりゃ、こんな感想はひどすぎる。期待に胸膨らます、と言った表現が全世界共通なのか?それともアジア限定か?と言う感じですが、異国なのに共感できるのはこういった表現のよいところですね。前述の生活とアートのディスコミュニケーションがそもそものディスコミュニケーションによって無化されるなんてことは無いんですけど。
 服部公太郎…映像も一緒に展示されているんですけどやっぱりコンセプトを中心に置くのはそこにアクセスするのが一概にコンフォータブルとはいえないのがアートを日常から阻害する遠因だと思います。やっぱりここまで来ちゃった感、と言うのが拭えなくて。造型のセンスとか技術って物に関しては何もいえないんですけど。
 太湯雅晴…やっぱりこの世の中で整然と機能しているシステムっていうのを疑ってみる、とか、その裏を行くすごく緻密な新しいシステムを考えてみる、って言うのは面白いんですよね、非日常と言うかね。で、それの、しかも経済システムなんてところにアートがアクセスすると言うことに経済学者の方々に口角を上げながら干渉して欲しいですね、芸術論の専門家や哲学者より。
 松藤孝一…完成されすぎ、かつ小鳥の綺麗さが僕に疎外感を感じさせるのはインスタレーションと言う表現語法としてはどう評価されるわからないんですけど、ちょっと…。経歴を読むと、む〜ん、アメリカの臭いがしないこともなくはないかもしれないかもしれない(微妙すぎてダメだ。すごくあやふやしてる、ぼくの文が・笑)。
弓削有友子…すごいサイケデリア。しかもクリームとかのLSDでラリッた時に見えるような幻覚ではなく、子供の見るような感じの幻想、夢、未来の世界、と言った感じの。そこに大匙五杯分くらいのレトロ感。健全なのですねぇ〜、前者に比べて。

と言うわけでどうでしょうか?くだらないですねこんな文章。
で、昼ドラ『美しい罠』がすごいことになっていて、僕が『いくらなんでもここまでしないだろ。昼ドラなんだし』と予想していた所まで物語がやってきたのでビックリしています。製作サイドのこの勇気に乾杯(わけわからん、僕の文章が・笑)。

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