Lesson#19;社長も盲腸も同じ符丁

『天神の地下街で僕と僕が思ったこと。』
ただいま天神の地下街の広場で妹を待っております(“ただいま”って言っても今はちゃんと家のPCの前に居るんですが。今日は実況中継風に進めていきます。僕が飽きる、もしくは技術的に書けなくなるまで・笑)。えぇ〜、と今ざっと見渡しただけで8人のリクルートスーツに身を包んだ、就活真っ最中の大学三年生と思しき人を確認しました。内訳は手をつないだカップル一対、女性の二人組み(君達はシャツ、とブラウスのボタンを一番上までとめて正解です・笑)、♂トリオ(一人目眼鏡)、“凛として”という形容詞がぴったりな一人で颯爽と歩く女性、といった感じです。
最近良く見かけますよね、就活中の学生を(ここ、カメラに話しかける感じで)。時期が時期だし。僕もやってなきゃいけないんですけど、ダブっちゃって(ディレイ、エコーと言ったエフェクトのキツイ編集を施した、と言うのではではなく“留年”・笑。別にスンゴイ勢いでマージャンばっかりやってて、プロ雀士になろうかどうか迷うほどだ、とか言う訳では無く、ただのビョーキの所為です、フィジカルな)、しても良いのかも知れないんですけど、出来ないんですよね。そうは言っても、できればやりたくない、しかもいいかげんな理由で(でも、全日本就活従事者の11.4%くらいは納得してくれるはず)。
そんな彼ら(さっきの8人プラスその後僕の前を通り過ぎた10人、その内訳は…ってもう妄想も飽きてきたわけですが・笑)を見ていると、頑張っている人たち対して大変失礼ですが、僕は『リクルート・スーツ』に対する嫌悪が強いのを再認識させられますぅ、彼らによって。まず男性のスーツに何も感じない、というのは大問題ですね。この前『アルフィー(ジュード・ロウがね、むちゃくちゃカッコいい)』のリメイク版見たからかもしれないけど、なぜスーツなのにスタイリッシュにならないのか?というのが一番の気がかり(と言うかガッカリPoint)。一応断っておくと、僕の分裂したいくつかの人格の中には女性のそれも存在する(と自己暗示をかけている)ので、男性のファッションについては所謂“女性的な視点(『そういった男性/女性の二分法が性差別でしょう!?』なんて言う間違ったフェミニズム観は無視しますよ。僕は男根主義者なので・笑)”で評価を下すのですが、まったく何も感じないと言うのが僕ら男性陣にとって大問題だと(なんだか垢抜けてないその姿にグッと来る、のは“ロリータ・コンプレックス”です)。女性に(そして男性にも)もてない、セクシュアルに主張できない格好、と言うのは良くないですよ。
そんで男の服装なんて、女性のそれの添え物ですから、副次的なものに過ぎないんですけど、主眼たる女性のスーツ姿が元々萎え萎え(“僕には来ない”って意味で)であるのが困ったものです。前述の八人のうち番いは一組でしたが、あの後妹と食事に行ったお店で、もう一組隣の席で食事をする就活カップルを発見し、妹に『就活したくねぇ〜よぉ〜。だってダサァイじゃん。あのリクルートスーツってのは。』と話しかけるそぶりで、不愉快にしてみました。意外に負の体験(恐怖とかね)の方が印象深く、人の間のつながりを強固にするんですよ。まぁそういった意味で、僕は彼らが今夜、もしくは結婚初夜には必ず行われるであろう(一部の地域では婚儀翌日、初夜に新郎新婦が使ったシーツに血が付いているかどうか親族が確認する、と言う風習があるそうです)行為中の連帯感の増強に寄与できたのではないか、と思います。今日のそれが“いつもより良かった”と感じたら、僕に感謝してくださいね。何処の誰かは存じませんが。
そしてリクルート・スーツに話を戻せば個性が無いですね、皆。確かにスーツ自体は何着も買えないけれど、シャツとか、タイとか、靴とか(あっ!ヤバイ。これスーツと同じくらい高価だ・笑)、有るでしょ、遊べる所が。女性に関して、タイはないけどそのインナーのバリエーションは僕達男に比べればほぼ無限。もう少し魅惑的な格好をして下さい(因みに僕のだとブラウス<カットソーなのねん)。
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今週もドラえもんを見逃した。とタワーレコードチャーリー・パーカーのディスクを物色していて気が付いた。もうどうでも良くなったから帰ろう。今から帰った所で間にあわないのだ、とブツブツ、そしてヘラヘラしながら地下街を駅に向かって歩いていると頭がズンズンと痛くなってきた。肩も重い。多分昨日・今日、重たい荷物を持って歩いたからだ。肩こりから来る頭痛。僕の思春期の頃の悩みはそういった身体的不調ばかりだった。肩こり、頭痛、ヘルペス、蕁麻疹、鼻炎・・・。成長し、体が安定して来ると、体調の不安定は解消されたが、今でも時々その症状に悩ませられる。そんな時、体調の不調から、では無く、暗かった思春期が思い出されて、気持ちがふさぐ。強烈な倦怠感。僕は一歩一歩進みながら、いつか次の一歩が踏み出せなくなるのでは、と言う不安に苛まれていた。力尽き、膝から地面に落ち、そのまま体全体を突っ伏してしまう。まどろみつつある頭は『もう眠ってしまえば良いじゃないか、このまま』と僕に言っている(ように聞こえる)。皆ビックリするだろうか、こんな沢山の人が行きかう中、いきなり人がどさっと倒れたとき、何人が声を掛けてくれるのだろうか、しかも何の病気でもなく、訳の解らない不安のせいで倒れました、なんて言う人間を、もう一度立ちあがるよう、声をかけ、無条件に支える、なんて事がする人がいるだろうか。