Lesson#18;見ざる、言わざる、聞かざる。〜そして南米はなぜこうも

そういえばAlways-三丁目の夕日-見たよって言う人は何人位いらっしゃるのでしょうか?ご覧になった方は手、挙げてみてください。
―(聴講生挙手。4割、5割くらい?)―
あぁ結構皆様、ご覧になってるんですねぇ。下ろしていいですよ、手(ここまでのくだり、妄想ですよ・笑。聴講生なんて居ませんから、僕の前に。講義録的なものを念頭において書いてみました。以下、モノローグに戻ります。みんな赤アイラー買おうね・笑)。今回の日本アカデミーはこの作品から多くの受賞者を出したそうですね。というかこの映画のホームページにその輝かしい受賞部門の数々が列挙されていますが、これを見ると『今年はこれ以外、この国で映画は作られなかったんだろう』と思うほどで、ほかにどんな部門があるの?って感じです(日本の映画界はどうなってるんでしょうか?)。なので今でも劇場公開が続いている、と。僕はどっかの誰かがこの映画を叩いていたのを鵜呑みにして『ああ、あんまり良くないのか』と思って今まで無関心だったのですが、先日とある友人が『すっごく見たい!ぜひ見たい!!死んでも見たい!!!(そこまでは言って無い・笑)』と言っていた折、その友人に向かって『良くないらしいよ。』なんて口走ってしまいました。キャ〜、僕のバカバカ!(←ここ昭和の少女漫画風で・笑)。いつも『知らないことには口出ししない』をモットーにしている癖に、未鑑だ賞したことの無い、批評家(プロ・アマ問わず。ブロガーの皆様、あなたたちは潜在的に“アマチュア批評家”なのですよ)の意見も聞かない、と言った作品について何か物を言う、などと言う行為に走った自分が情けない、悔しい、殺してやりたい(ハッ!今日の悪夢はこの感情のメタファーだ、きっと)。
このモットー、端を発するのは何かの本で『好きな作家ですか?村上春樹さんとかですかねぇ〜。えっ、どの作品が一番印象深かった?ですか。そうですねぇ〜、カフカですね、“浜辺のカフカ”。他にはどんな作品を?えぇ〜っと、すいません。それ以外読んだことありません(滝汗)。』と言う学生が居て、最悪ですね。とその“どっかの学生”がこき下ろされてるのを見て、うゎ〜って思ったからです。就職の面接だったらアウトですね(喋り方からして駄目っぽい臭いはプンプンですが、そこは僕の文才の無さ、リアリティの欠如。就活なんてしたこと無いのでわかりませ〜ん・笑)。可愛そうに。『もう駄目だわ、私なんて。あの会社に入れなかったら死んでやろう。ウゥ〜。』ちゃんと成仏してくださいねぇ〜。そんな悲しみも僕の妄想なのでほおって置いてですね、要は知りもしないのに何か言うことが何とも滑稽で、且つ失礼なことだ、という事実をデ〜ンと突きつけられた僕にはその後、『〜が好き(もしくは嫌い。多分こっちの方が作品への理解の強度は重要)』と言う段でさえ『〜』に深く接しないと、という強迫観念が付きまとうのでした。
上の会話では自身の感想についての言及で作品云々には何も言っていませんが、その良し悪しについて何か物申そうとした先日の僕は本当にバカで、愚鈍で、サルで、飛べない豚で、死ねば良いなぁ、なんて思うわけです(まだまだ死ねませんけど)。
カーティス・メイフィールドが好きだ、と言うのに『スーパー・フライ』しか聞いたこと無かったり、ゴヤが嫌いだ、と言うのに『我が子を喰らうサトゥルヌス』しか見たことなかったり、スコッチが好きだ、と言うのにJ&Bしか飲んだこと無かったり・・・・・
『好き/嫌い』くらいの議論なら、作品それ自体を味わう機会を持っている位でもいいとは
思いますが、実際に良し悪し、優劣にまで言及するようになるには周辺についての情報まで知らないわけにはいかないのではないでしょうか。あまつさえ他人に推薦など、超ハードコアな人(複製画で自分の家に“黒い家”の一室を再現する、などと言う感じの)でなければいけないような気がします。でも批評を生業にするような人はきちんと訓練を積んで、どこを見てなにを評するのが本質的か?と言うのをとりあえず読んだ(この先批評がテキストから解放される日が来るのでしょうか?)人の35%が納得するような方法論をお持ちなのでしょう。
なので、『もっと聞かなきゃ、もっと読まなきゃ、もっと見なきゃ、もっと食べなきゃ、もっと飲まなきゃ、もっと嗅がなきゃ、もっと触らなきゃ』と強迫的に毎日を過ごしている僕です。経験、と言うのを原点におくと、実際には時間が足りなくなってしまいます。
絶対見に行くぞ、と言うかもう見に行くことは決まっているんですがね。
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今、母上からお呼び出しがかかったので、雑な文章ですがこれで。
妹が高校に合格したので、これから食事らしいです。

海辺のカフカ (上) (新潮文庫)

海辺のカフカ (上) (新潮文庫)

海辺のカフカ (下) (新潮文庫)

海辺のカフカ (下) (新潮文庫)