あくまでスタンスとして、ね。

付随したシステムがあまりにも巨大で複雑だ、と言う事実に気づくことが出来ない。
あくまでも本質の補佐・強化といった副次的目的で生成・運用されるべきシステムが親を喰う。
なぜなら根幹にある本質的目標の強度があまりにも弱すぎるからである。
希薄、抽象的、コロコロと変わる。
その形態は無限であり、個々人に格納された目的地はあまりにもかけ離れた。
そんな中僕らはいつまでもむやみやたらにその歩を進めるのか?
それが前進であるのか、後退なのか?はたまた落下、蛇行、回転。
個人で居ることと集団で居ること、双方が明確な線引きをなされぬまま混沌としてそこに在り続け、相互に助長し牽制する。
公の中で個が暴走する。
かといって個は確立し切れていない。
泥で出来たボールが自身の一部をその軌跡になすり付けながら右へ左へと転がっている。
いつかは壁にぶつかりどろどろとしたもので一面を覆い尽くすだろう。
それは全てを自分のものにしたのか?
彼が居なくなったのか?
みんながみんな、同じ壁に、同じように衝突していく。
いつしか其処は泥沼になっている。
そんなところには入っていきたくない。
真なる球を保つ強度。
僕は誰にも、その軌跡を辿れない。
今となっては来た道がどこかさえ解らないのだ。振り返りも出来ない。
なら君らがどこに居たって同じこと。
底の底の底の方でどろどろしていようが、僕の周りを満たしていようが。
どうかはしない、出来ない、拒否する。
だから君らは僕をどうにも出来ない。
僕が座標軸であるしかない。
神にも頼らない。
内圧を高く保ち続けろ。
外皮は耐えられなくなっていつしか割れてしまうだろう。
そのときこそ僕が中身をぶちまける瞬間だ。
あたり一面を鈍い鈍い深紅で染める。
自己と他者の決壊は被ではない。
内側から食い破る。
どうこうしようなんて思うな。
それで良い。