Lesson#238;Aquarium JellyCandle.

(正確にはこの表現は正しくはないが)彼女は誰に教わるでもなく、セックスの仕方を覚えた。
初潮を迎える前から。
それはやはり痛々しく、まともな大人が正視できる類のものではなかった。
悲しみしか想起しそうにない光景ではあったが、そこには彼女が快感と信じて疑わない感覚が存在していた。
イマラチオ、スカトロジィ、アナルファック、フィストファック、スカルファック。
痛覚とオルガズムの境界もあやふやで無分別だった頃。
密室で反復される性行為。
そして時を同じくして、外では自分とまったく同じ容姿の少女が愛くるしく笑いながら、自由に駆け回っていた。

ある日夫婦には双子が生まれた。
しかし不運なことに、片方の子は死産であった。
母親はしばらく悲しみにくれたが、故に生き残った子供を溺愛する。
また父もそれに習うようにして、失った一方の子への愛情もあわせて都合二人分の愛情をその子へと注ぎ込んだ。
両親に愛され、太陽に愛され、緑に愛され、星に愛され、森羅万象に愛された存在としてその子は生きた。
野を駆け、歌を唄い、音楽にあわせて踊り、詩を詠む。
幼いながらも、その美しさから異性からも同性からも羨望や憧憬を一心に集めた。

本当に些細な偶然から二人は出会うことになってしまった。
お互いにお互いの見えざる部分に惹かれあった二人は、そっくりな容姿を利用して相手に成りすまし生活することにした。
片方では幸福な生活。
片方では密室での常軌を逸した時間。
男がやってきて陵辱。
起こりえないはずの破瓜の出血。

精液と混ざり合う血。